2025.01.31| PASSIONE “情熱”

‘024 受け継いでほしいこと、残すべきこと

1993年創業。100年続くイタリア料理店を目ざして、新潟、都内、イタリアへと道を開いてきたクオルス・リストランテ。現在、レストランのほかに、伝統的バルサミコ酢樽をモデナに所有し、都内にモッツアレラチーズ工房、上越にクラフトビール醸造所を展開。イタリア食文化に感銘を受けたことで始まった挑戦は、これからも続く。

描き続けるビジョン、夢をかなえる言葉

 

これからクオルスがどのような会社になっていくか。未来のことはわかりませんが、おそらくレストランを中心に、「イタリア」をテーマにした事業を続けていくでしょう。100年、200年続くレストランにするためには、一緒にノウハウを培ってきた人たちが経営を受け継いでいく形が望ましいと思っています。

大事なのは、何を受け継いでいくべきか。つまり、クオルスの財産として残すべきことの見極めです。「うちらしさ」「うちっぽさ」はなかなか言葉にしづらいとお話ししましたが、たとえ言葉にできなくても「これダメだね」「これはいいね」という判断の基準さえ伝えていければ大丈夫でしょう。

たとえばメニューでいえば、古くからある定番は、残していきます。古いけれどもいいもの、ずっと必要とされていたものは、長く生き残ります。例を挙げれば、スパゲッティボロネーゼとかラザニアです。

目新しいイタリア料理を求めている方もいらっしゃると思いますが、どちらかと言えば、そういう方よりも、「お前たちはメニューを変えなくていいよ」とおっしゃる方を大事にしていきたいと思います。もちろん進歩は必要ですから、たまには違うものもやりたくなりますが、「やっぱり、この定番がいいよね」と言ってくださる方が、うちのリピーターかもしれません。

 

にいがた“くびき牛”ラグーソースのタリアテッレ ボローニャ風

次回「025 有言絶対実行

 

高波利幸 Toshiyuki Takanami

1968年、新潟県上越市生まれ。高校卒業後「服部栄養専門学校」に入学し、料理の勉強を開始する。在学中、ヨーロッパに研修でイタリアへ行き、イタリアの食と文化、そして人に大きく感銘を受ける。卒業後、イタリアレストランで修行を開始。7年間東京で暮らしたのち、新潟に帰郷。1993年4月、地元上越市にイタリアレストランをオープン。現在イタリア料理店3店舗、モッツアレラチーズ工房、クラフトビール醸造所を展開。その他飲食店コンサルティング、プロデュースも手掛ける。

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