2018.08.01| PASSIONE “情熱”

Vol.3 『どうしてイタリアなのか?』。答えは〝生きざま〟の美しさです

初めに惹かれたのは、ファッションや車、家具などのデザイン、そしてイタリア人のライフスタイルでした。今は、それらを育んだ歴史や環境、受け継いできたファミリーの情熱に魅力を感じています。伝統文化を継承しつつ、新しいこと、ものへ挑戦し続ける彼らの姿勢には〝生きざま〟さえ感じます。「ヴィジョン」という言葉があります。いろいろな解釈があるでしょうが、〝生きざま〟と訳してもいいのでははないかと、イタリアから教えられました。

「あの人、あのお店は本当にイタリアが大好きで、一生懸命それを伝えようとしている」。そう思われれば、本望です。だから、自分が知り得たこと、感動したことを伝えようと、日々、情熱を持って取り組んでいます。6月に、東京青山に開業したモッツアレラ工房もその一つ。イタリアの原料と製造機を使って、日本で時差のない、本物のモッツアレラを提供する。それは、自分が味わったできたての美味しさを、多くの方々へ知ってほしかったからです。

自分たちで探し、見つけたワインやオリーブオイルを提供しているのも、混じりけのない、その年に栽培された農産物の味を、ダイレクトに味わっていただきたいからです。もちろんそこには、生産者のまっすぐな思いや姿勢も込められています。その年、この場所でしか出合えない味わい、生産者の情熱に、クオルス・リストランテで出合ってください。

高波利幸 Toshiyuki Takanami

1968年、新潟県上越市生まれ。高校卒業後「服部栄養専門学校」に入学し、料理の勉強を開始する。在学中、ヨーロッパに研修でイタリアへ行き、イタリアの食と文化、そして人に大きく感銘を受ける。卒業後、イタリアレストランで修行を開始。7年間東京で暮らしたのち、新潟に帰郷。1993年4月、地元上越市にイタリアレストランをオープン。現在イタリア料理店3店舗、モッツアレラチーズ工房、クラフトビール醸造所を展開。その他飲食店コンサルティング、プロデュースも手掛ける。

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