2019.11.11| 旅は広場から始まる

ガリレオやミケランジェロが眠る教会を臨む、フィレンツェ最古の広場|フィレンツェ サンタ・クローチェ広場|

 

トスカーナ州のカンティーナ取材を終えた後、一人で数年ぶりのフィレンツェへ。写真の広場は、フィレンツェで暮らす友人の工房へ向かう途中にあったサンタ・クローチェ聖堂の前の広場。フィレンツェと言えば、ダヴィデ像のあるシニョリーア広場が有名ですが、このサンタ・クローチェ広場もとても素敵でした。通りかかったのは、平日の夕暮れ時。観光客らしき人がたくさんいましたが、中には家へ帰る途中にちょっと寄り道したような、お友達と遊ぶ子供達やそれを見守るお母さん達もいました。そこで生活している人達が楽しそうにそれぞれの時間を過ごしている様子は、これこそがこの場所のいつも通りの日常なんだろうなと感じられ、そこで暮らすフィレンツェの人々の生活の一部に触れたような気がして、温かい気持ちになりました。

旅に出るといつも思うのは、どこに行っても、そこに住む人達の暮らしがあって、それぞれの日常が続いているんだなということ。ガイドブックに載っているような素晴らしい風景に出会う旅ももちろん好きですが、こんな風にそこに暮らす人達の日常を感じるられる旅もいいな、なんて思ったのでした。

(文・写真:内藤雅子/カメラマン)

Basilica di Santa Croce
サンタ・クローチェ聖堂は、14世紀に完成したフランシスコ会の教会で代表的なゴシック建築の聖堂。ミケランジェロ、ガリレオ、マキャヴェッリ、ジョヴァンニ・ジェンティーレ、ロッシーニといった有名なイタリア人たちが埋葬されている。このことから「«pantheon» delle glorie italiane(イタリアの栄光のパンテオン)」として知られている。


 

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