2019.03.01| ミラネーゼLucaのミラノレポート

|05 Architettura|歴史とともに 常に新しさを求めて

世界最大級のゴシック建築であるミラノ大聖堂

ミラノの建造物といえばドゥオモ(ミラノ大聖堂)ですね。ミラノの象徴と言ってもいいでしょう。街の真ん中にあることから、ミラネーゼの待ち合わせは、デートでも友達同士でも大人数でも、ここが多いんです。
ずっと昔からあの姿で建っていたような迫力と安定感ですが、実際は、様々な様式で造られてきた、いわば独自の様式を持った建造物。最初に石があの場所に運ばれたのは1386年、その約500年後にナポレオンの命令によってフランスの資金で完成し、19世紀を通じて尖塔とステンドグラスの交換など、すべての装飾が仕上げられました。第二次世界大戦中には、ミラノは爆撃を受けたものの、ドゥオーモは連合国側の判断で被害を逃れ、大戦後すぐ、大部分を修復され、木製の扉は青銅製に取り替えられます。

 

ミラノ駅前にそびえ立つ、地上26階のピレッリ・ビル

ほかにもミラノには、レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」を食堂に飾った修道院のある教会、バッカス神殿の遺構のあった教会など、歴史を物語る建造物がありますが、一方で、新しい建築も生まれ続けています。たとえば1960年に完成したロンバルディア州議会ビルは、当時の建築家の第一人者、ジオ・ポンティらのプランで建てられた建造物で、ここの26階からの眺めは最高です。ピレッリ・ビルという通称は、タイヤメーカーのピレッリから。個人的には小さい頃、ミラノ中央駅から見たそびえ立つ姿がすごく印象的でした。最近でもミラノには新しい高層ビルができたり、再開発エリアもあったり。たとえばCityLife(シティライフ)、SkyLine(スカイライン)と呼ばれるところは、高層ビルの間にカフェテリアやレストラン、ショッピングモールが並んでいて、東京でいえば丸の内です。

ミラノという街は、こんな風に常に新しいものを求めていて、アイデンティティを更新する気持ちにあふれている。それも、僕が大好きなミラノの一面です。

 

Luca Saccogna ルカ・サッコーニャ

Luca Saccogna ルカ・サッコーニャ

ミラノ生まれ。日本映画に魅せられ、ミラノで日本語と日本文化を学んだのち1994年来日。大手イタリア語学校で講師を務めた後、東京、代々木にイタリア語学校CLUB ITALIANO設立。2016年にはミラノにEURASIA LANGUAGE ACADEMY語学学校を開校。留学時の住まいやインターンシップの斡旋・サポートも行う。クオルス・リストランテとは東京にいた頃、南青山の店にランチに行き、そこでカメリエーレ(給仕)をしていた同代表、高波利幸と意気投合したのが始まり。イタリアから呼んだピッツァ職人の通訳、さらに各店でイタリア語の出張レッスンを行うようになった。ミラノ在住の今も架け橋となっている。

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