2017.12.01| "文系ソムリエ"が教えるワインの楽しみ方

No.1 ワインとの出会いは唯一無二

皆様は、どのようにワインを楽しんでいらっしゃいますか?食事とのマリアージュを楽しんだり、仲間とうんちくを傾けたり、果ては発酵・醸造といった〝理系〟的側面からワインの正体を探ってみたり。

ワインの持つ「物語」や自身の「感受性」でワインにアプローチする〝文系ソムリエ〟こと私流の楽しみ方といえば、ワインとの〝一期一会〟を楽しむことです。一口にイタリアワインといっても、人間と同じように1本1本が個性を持っています。ブドウの品種でいえば450種を超え、DOCやDOCGという格付けワインだけでも400銘柄以上。同じ地域の同じ品種で造られた同じ銘柄でも、造り手(ワイナリー)によって違いますし、たとえ同じ造り手によって手掛けられたものでも、ブドウ畑の位置、収穫年度、そして醸造過程で熟成させる樽が違えば、仕上がりも同じにはなりません。さらに同じ樽からボトリングされた〝同腹〟ワインでも、コルクを空ける時、つまり飲むタイミングや温度等によって風合いが変わるため、極端に言えば1本1本が唯一無二。ということは、二度と同じワインには巡り会えないということになります。

人生の中で出会える限られたワイン達!天文学的な確率で、この私のもとに来てくれた1本のワイン、そんな気持ちでワインに向き合う時、神秘的なご縁を感じずにはいられません。コルクを開ける音にもわくわくしますし、グラスに注がれたその姿をじっくり観察し、一口ずつ味わいながら、ワインの個性や育んだ土地や人々に思いを馳せ、じわじわとやってくる心地よい酔いに身を任せていく幸福感といったら!これだからワインは止められません。この〝一期一会の思い〟だけを肴にしても、杯が進んでしまうから本当に不思議です。もしかしてこれぞ最高のマリアージュ!?

皆様も1本のワインと向き合う時には是非、その奇跡的な出会いに少しだけ思いをめぐらせてみて下さい。今までとは違う、なにかプラスαの味わいを感じることができるかもしれませんよ!

ソムリエ・小関 智子 Tomoko Koseki

ソムリエ・小関 智子 Tomoko Koseki

クオルス・イタリア駐在員。エミリア・ロマーニャ州在住でAIS(イタリアソムリエ協会)のソムリエの資格を持つ。猫とワインとサムライをこよなく愛する。

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