2017.12.01| PASSIONE “情熱”

1万キロも離れた異国 イタリアに魅せられて

ラヴェンナのリストランテMOLINETTOにて(2017年10月)

19歳の時に初めてイタリアへ渡り、街角でピッツアを頬ばったり、ワインを立ち飲みする姿に憧れたのがすべての始まりでした。食文化、ファッション、車…あらゆるものに感性を磨かれたイタリア。日本との〝違い〟と〝似ているところ〟を紹介しましょう。
まず大きな違いは、ローマにお店を開いて知ったことですが、街並みや景観をとても大切にしていること。半径何キロ以内のレストラン、カフェ、八百屋の数は、法律で決められ、建物の外観については原則そのまま、看板やオーニング(可動式屋根)の色は街中ほど厳しい指定があります。食料自給率が高いので食べ物は安く、また、自国の食べ物に〝伝統文化〟を重んじます。
日本と似ているところは、事業の後継者問題、少子高齢化でしょう。イタリア人労働者の給料が高いので、移民労働者への依存度が高くなっています。
知れば知るほど興味がかき立てられ、視野も考え方も変わってくる。そんなイタリアのことを、みなさんにももっと知ってもらいたいし、日本とイタリアを結ぶ懸け橋になりたいと思っています。日本とイタリア、双方に〝貢献〟する意識をもって100年続くレストランを作っていく、それが本望です。(高波)

 

高波利幸 Toshiyuki Takanami

1968年、新潟県上越市生まれ。高校卒業後「服部栄養専門学校」に入学し、料理の勉強を開始する。在学中、ヨーロッパに研修でイタリアへ行き、イタリアの食と文化、そして人に大きく感銘を受ける。卒業後、イタリアレストランで修行を開始。7年間東京で暮らしたのち、新潟に帰郷。1993年4月、地元上越市にイタリアレストランをオープン。現在イタリア料理店3店舗、モッツアレラチーズ工房、クラフトビール醸造所を展開。その他飲食店コンサルティング、プロデュースも手掛ける。

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