2017.12.01| 特集

円形広場のある小さな街、バーニャカヴァッロへ

エミリア・ロマーニャ州の小さな街、バーニャカヴァッロ。ここの円形広場で2017年5月、クオルス・リストランテのシェフがディナーを振る舞った。前年に起きたイタリア中部地震の復興支援のためだ。その時に生まれたつながりを胸に10月、クオルス・リストランテのスタッフが再びこの地を訪れた。2018から各店舗のハウスワインとなる「ブルソン」、そのブドウの収穫も手伝いながら。

 

エミリア・ロマーニャ州ラヴェンナ県にある人口1万7000人ほどの小さな街、バーニャカヴァッロ。バーニャは水浴、カヴァッロは馬。この辺りはかつては湿地で、馬が脚を水に濡らしながら荷を運んだことから名付けられたという。

 

海を渡った7人のシェフ
バーニャカヴァッロをクオルス・リストランテのシェフ7人が訪れた。目的はチャリティーディナー。ヌオーバ広場で振る舞われたディナー、その売り上げはすべてイタリア中部地震の被災地、マルケ州に寄付された。

遺跡の中のレストラン
円形広場を囲む石の建物の中にはレストラン「オステリア ピアッツァ・ヌォーバ」。アンティークの家具、梁の走る天井、強い光を招き入れる高窓。装飾を省いたモノトーンの空間は、どこか聖なる教会のよう。「肉と言えば豚」というロマーニャ地方の伝統料理が、地ワインとともにいただける。

「ブルソン」でバーニャカヴァッロに出合って!
「ワインを飲むということは、そのワインを生み出している土地に出合うこと。このブルソンを通して日本のレストランとバーニャカヴァッロがつながる、それはとても大きな幸せです。」(バーニャカヴァッロ市長、エレオノーラ・プローニさん)

左からランディ社のオーナー、マッシモ・ランディ氏、市長、クオルス・リストランテ代表、高波利幸

「ブルソン」のカンティーナを訪問。
ランディという名前のカンティーナ(ワイナリー)。貯蔵庫には、奇跡のロンガネージが一房ずつ、きちんとワイヤーに掛けられ陰干しされていた。「余分な水分を飛ばして甘みを残すため」と教えてくれたのは醸造家(エノロゴ)のセルジョ・ラガッツィーニさん。糖分をいかしきって醸すことで、14度から15度と、アルコール度数の高いワインが生まれるという。

左から、ランディ社オーナーのマッシモさん、マッシモさんのお父さん

醸造家(エノロゴ)のセルジョ・ラガッツィーニさん

奇跡のブドウを収穫だ!
畑の中のカシの木にひとツル、巻き付いていたブドウ、ロンガネージ(ワイン面参照)。約60年前、ロンガネージおじさんが見つけなければ、おそらくこの世からなくなっていただろう。そんな貴重なブドウの収穫を、クオルス・リストランテのスタッフがちょっとお手伝い。狙うのは「マローネ(茶色)」で「マトゥーロ(成熟した)」房だけ。一つ一つハサミで丁寧に切り取ったら、そっとカゴの中へ。やさしくやさしく、ていねいに。畑には330mのブドウの列が60も!

 

神様に選ばれたワイン「ブルソン」
ブラックチェリーやバニラ、チョコレートを思わせる香り、力強い味わい。使われているロンガネージというブドウは、絶滅寸前にロンガネージ おじさんが甦らせた奇跡の品種です。きっとワインの神様がいるにちがいないと思わせるエピソードの一品、ラベルも一新して、来年(2018年)からクオルス・リストランテのハウスワインになります。乞うご期待!

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