2018.04.01| cibo 食材に誘われて

|cibo 03|上越市・荻谷さんの「自然の中で育まれた健康な赤身肉、くびき牛と短角牛」

艶やかなブロンドヘアが美しい「越後上越・短角牛」

何ときれいなブロンド! つややかな赤茶色の毛を持つこの牛の名前は越後上越・短角牛。上越地域のブランド牛で、現在、飼育しているのは荻谷さんだけ。夏は笹ヶ峰牧場で放牧、冬は牛舎で育てる夏山冬里方式によって、余分な脂身のない低脂肪高タンパクな赤身肉が育まれる。ほかの和牛の場合、穀物も与えられるが、草とワラだけで生きられるのは短角牛だけ。食べた草やワラを肉にする力がすぐれているからだという。

 

ブラックヘアのこちらは上越ブランド牛「くびき牛」

風通しのいい牛舎でのびのび気持ちよさそうにしている牛たちを見ると、荻谷さんの彼らへの思いが伝わってくる。そして健康的でしっかりとした肉の味は、この環境から生まれているのは間違いない。さて、この牛肉には「旬」がある。毎年、5月の中旬が解禁日。店で出合えたら、一遇に感謝して、食すべし。

 

取材にうかがった日は、息子さん(右)が帰省して手伝いをしていた

 

あ澄んだ青空の中、牛の飼料を天日干しに

ちなみにクオルスリストランテでは4・5月春限定メニューで登場します。くびき牛は脂のうまみを、短角牛は赤身の美味しさを堪能できます。おすすめはシンプルな炭火焼と、モモなどの部位の赤ワイン煮込み。新しくなったハウスワインの赤「ブルソン」との相性も抜群です。

新潟県上越市 荻谷耕治さん

荻谷畜産の2代目。もの心ついた頃から牛と共に育つ。トラック事故で父親を亡くしたことから、畜産の仕事はやらないと決め、大学卒業後は沖縄で生活していたが、周囲からの戻ってきてほしいとの声を受け帰省、今の稼業に就く。現在は200頭ほど雌牛を飼育している。上越地域のブランド牛「越後上越・短角牛」を飼育しているのは現在荻谷さんのみ。

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