2018.08.01| cibo 食材に誘われて

|cibo 06|能生町「魚正」・中村さんの太刀魚

シェフとラインでやりとり。「旨さ」を見極めて仕入れ
実家の魚屋を継ぎたくなくて、マグロ漁師になった中村淳一さん。海に出たら1年半は戻らない遠洋漁業の生活の中、怪我をして漁師を断念したところで、今度は建築の世界へ。「でも、ふっと自分の中には魚屋の血が流れてる、って確信したんです」。そして魚屋を継ぎ、23年になるという。

クオルス・リストランテの高波利幸社長から電話があったのは5、6年前のこと。「能生(のう)漁港に揚がった魚を直接、送ってほしい」と言われた。今では、各店舗のシェフらとグループラインをつくって、やりとり。朝、中村さんが「今日は漁に出ましたよ」と送ると、「青山店、ヒラメがほしいです」「銀座店、タコがほしいです」とメッセージが入る。それを見て、中村さんは午後3時からの競りで魚介を仕入れ、各店舗に直接送る、という流れだ。

「競りでは、鮮度の見極めが重要です」。たとえば刺網で獲った魚は、5時間前に刺されたか、1時間前かで鮮度が違う。一方、エビの場合は獲れたてよりも1日たってからの方が美味しい。経験をもとに、コストと鮮度のバランスを見て仕入れているそう。「能生漁港は10t以下の小型船がほとんどですが、水揚げ量は佐渡を除けば新潟県内で2、3位。漁の種類も一本釣り、刺し網、底引き網、カゴ漁などいろいろだから魚の種類も豊富なんです」。

 

「魚正」は家族で経営。笑顔がチャーミングなお母さんの光枝さんと、まさに魚屋さんといった装いで、鉢巻がキマっている弟の賢司さんと一緒に

 

上越夏野菜の重ね焼き

まさに目利きが選んだ魚、クオルスリストランテでは上越で作っている丸茄子とトマトと一緒に鮮やかに焼き上げた「上越夏野菜の重ね焼き」としてメニューに登場します。どうぞ召し上がれ!

能生町「魚正」中村淳一さん

実家の魚屋を継ぎたくなくて、マグロ漁師に。海に出たら1年半は戻らない遠洋漁業の生活の中、怪我をして漁師を断念したところで、今度は建築の世界へ。しかし自分の中には魚屋の血が流れてることを確信し、魚屋を継ぐことを決意。「魚正」として23年。

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