2020.10.09| イタリアの食とワインの味わい方

No.15 オリーブ果実の生ジュース!~Olio EVOの世界へようこそ①~

 

近年イタリアでは「Olio EVO(オーリオ・エーヴォ)」という表現がよく使われるようになりましたが、これは「Olio “Extra Vergine di Oliva”」 の頭文字を綴った、つまり「“エクストラ・バージン・オリーブ” オイル」のこと。元々は略語にして言い易くする意図だったのかもしれませんが、今では他のカテゴリーのオリーブオイルとは一線を画した別格の存在としてのオイル、またそのクオリティーの高さを強調する意味で使われているネーミングの感があります。

“地中海式ダイエット(食事法)”という言葉と共に世界中にその名があらためて知られ、今や日本でもすっかりお馴染みとなったオリーブオイルですが、健康的な効能を含め果実本来の風味の豊かさなど“オリーブオイルの真価”を体現しているのが、このOlio EVO。果実を絞っただけのオイル、こんな食用オイルは他にはありません。

オイル“油”なのにフルーティ!オイルなのにフレッシュ!まさに“オリーブのスプレムータ(生ジュース)”です。本当に「生」で飲める、いや飲みたくなってしまう逸品です。口に含んだ瞬間に広がるフルーティさや、例えば青いトマトやハーブを思わせるフレッシュな風味。さらっとしている舌触りに油断していると、その後にやってくる心地よい苦みとピリピリとした辛いのど越しにびっくり!なんだか病みつき(笑)になる味なのです。

今日、日本市場でも“第3次オリーブオイル・ブーム”が起こっているそうで、その対象はもちろんOlio EVO。ここイタリアでもあらためてその真価を認識するムーヴメントが起こっており、様々な活動や関連イヴェントを通じて盛り上がりをみせています。人々のOlio EVOに対する関心の高さと意識の向上が伝わってきますが、それは販売店でのラインナップや各レストランで出されるオイルの変化からも実感することが出来ます。

そんな中、私もある興味深いイヴェントに足を運んできました。ボローニャ丘陵地に自社のオリーブ園を持つ高級リゾートホテル「Palazzo di Varignana」。こちらで「自社製Olio EVOとシェフのお料理の“アッビナメント”を楽しむディナー」が開催されました。ちなみに“アッビナメント”とは「組み合わせ」「マリアージュ」の意で、通常はワインとお料理に使われますが、今回はそれが“Olio EVO&お料理”です。

プールサイドにあるレストランのオープンテラスでのディナー。秋の月明かりの元、各テーブルは目にも愛らしい小さなオリーブの枝の鉢植えとキャンドルでエレガントに演出され、ますます気持ちを高揚させてくれます。そしてワインのアッビナメントとしては、これも自社製のサンジョヴェーゼ・スーペリオーレDOCが用意されていました。

メニュー内容は、アンティパスト「鯖と彩り野菜の甘酢あえ、Olio EVOのアイスキューブ添え」、プリモ「Olio EVOのリゾット、パルミジャーナ・ディ・メランザーネ(茄子のチーズトマトソース)のトッピング」、セコンド「モーラ・ロマニョーラ(地元産ブランド豚)のスペアリブ&インゲンのオレンジキャロットソース、Olio Evo仕上げ」、デザート「焼きメレンゲとOlio EVOあえイエローキウィのミックス、アロマティック・ハーブ風味」の4皿。

このメニューのお料理に合わせて、今回2種類のOlio EVOが使用されていました。アンティパスト・プリモ・デザートにはフルーティでマイルド系、オリーブの種類は「マウリーノ」と「コレッジョーロ」。このふたつのブレンドです。口当たりがやわらかでデリケートな素材との芳香の調和も素晴らしいOlio EVO。アンティパストでの”アイスキューブ”は口の中でゆっくりと溶け具材と絡み合い、絶妙の食感とコクを味わえます。これ、インパクトもあり面白い!またリゾットはもちろんですが、デザートでのキウィとの相性バッチリ。お互いに新鮮な果実同士、それも納得です。

一方、セコンドのお肉のアッビナメントとして使われたのは、ややワイルド系で、フルーティだけどより苦み・辛味が効いたタイプ。オリーブの種類は「フラントーイオ」「レチーノ」そして「ペンドリーノ」。この3つのブレンドオイルです。スペアリブですから当然脂がのっています。その脂が美味しい。でもこのOlio EVOを控えめに回しかけるだけで、その苦み・辛味によって肉の脂のべとつき感が程よい具合に中和され、お肉のジューシーな味わいが引き立ちます。お料理をワンランクアップさせるとても良いアクセント(スパイス)になっていて、うーん…これもOlio EVOだけが成せる技だな~と感心しました。

今回のお料理とOlio EVOのアッビナメントを楽しむディナーに大満足!そのメニュー内容、オイルの使い方や使い分けなど、実際に食べて納得がいくことばかり。新しい発見もありました。“Olio EVOの世界”、それはワイン同様に奥深く楽しい!そしてなにより美味しくてヘルシーときています。その世界を旅することは、イタリアの食文化をさらに探求する旅にもなることでしょう。さぁ皆さんも是非この魅惑の旅にこれから一緒に出かけてみませんか!(②へ続く)

 

 

クオルス・イタリア駐在員/小関智子 Tomoko Koseki

クオルス・イタリア駐在員/小関智子 Tomoko Koseki

エミリア・ロマーニャ州在住。AIS(イタリアソムリエ協会)のソムリエの資格と公認添乗員ライセンスを持つ。現地で出会ったワイナリーとクオルスを繋いでいる。

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