クオルス・リストランテが信頼するイタリア現地の生産者「スクアドラ・クオルス」の仲間達に、ワイナリーの今について聞いてみました。第５回目はエミリア・ロマーニア州、ブルソンでおなじみのテヌータ・ウッチェリーナの2代目エルメスからの便りです。

ー今回のコロナ禍について。ご苦労したことや今思うことを教えてください。

信頼すべき仲間には正直に話そう。Covid-19はあらゆる意味でショッキングなことばかりだよ。実を言うと、僕は今この便りを自分の部屋に一人閉じこもって書いている。つい先日、僕の友達がコロナ陽性と診断されたんだ。その友達とはその数日前に会ったばかりだったから、僕もすぐに検査してもらいに行ったよ。幸い僕は陰性だったけど、万全を期して今部屋で自主隔離中なんだよ。何より両親にリスクが及ばないようにしないとね。念のためにまたすぐに再検査にも行くつもりだよ。それにしても今の状況は本当にやっかいだよね。一体いつになったらこのウイルスの見えない脅威から解放されるのかな。心配しすぎかもしれないけど、やっぱり不安はまだまだ消えないよね。。。

とにかく今は我慢の時さ。このところずっと家に籠って仕事をして、お客さんやもちろん友達にも会えずにいてストレスは溜まるばかりだけど、自分を含め周りの人すべての健康を思ってこの状況を受け入れて、ワクチン接種が広がってすべての環境が良くなる日を待つばかりだと思っているよ。

仕事においても、ワインの販売という意味では、この1年ほぼ全滅に近い状態だよ。細々と宅配などはやっていたけど、なにしろ飲食業者が休店や時短営業を強いられてしまったから仕方ないよね。でも現時点では、まだ積極的な販売アプローチは難しいと思っている。飲食業者の皆さんがこんな状況で大変な時に、ワインの仕入れなんてことは最後に考えることだと分かっているからね。

ー新しく始めた工夫や取り組み等はありますか？

だから現在取り組んでいることは、ソーシャルネットワークを使って“販売”するというのではなく“発信（伝える）”すること。つまり僕らのワインと生産者である僕たち自身をより知ってもらうことなんだ。今こうして自身の事を話させてもらっているようにね。これで皆との距離が少しでも縮まれば本当に嬉しいよ！この時間は決して無駄じゃないと思っている。仕事を再開する時には準備万端で、より良い信頼関係が出来ているようにと願っているんだ。

『次回はシチリア島、エトナ山ふもとのカンティーナ、フィリッポ・グラッソからの便りです。お楽しみに！』

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