2019.03.01| cibo 食材に誘われて

|cibo 08|上越市大潟 髙橋さんの越後姫

情熱家が育てるイチゴ。熱い思いが香りと味に

小さくて可愛らしい、清冽な白い花。そんなイチゴの花言葉を知っているだろうか? 「幸福な家庭です」と教えてくれたのは髙橋和樹さん(35)。新潟のブランド食材、越後姫を7年前から栽培する髙橋さんはいつも「どうしたらイチゴを通してお客さまとスタッフに幸せを届けられるのだろうか」と考えているという。

その結果、選ばれたのがたとえば一つ芽栽培。収穫量をひたすら増やそうと思えば、芽の数を増やして多く実らせることもできるが、2番果房以降は品質が下がる。逆に1つの芽にイチゴを実らせ、その都度、収穫する一つ芽管理であれば、常に100%の旨みと栄養の詰まったイチゴができるという。安心安全の為に定植後、化学農薬を使わずに、管理の大変な植物食品由来の農薬を使うのも、髙橋さんが「幸せ」という尺度で選んだ。

また、高い品質をキープするために、ハウス内の地上部の数値を全てデータ化し、イチゴにとってベストな環境を提供するよう管理しているという。 「イチゴの収穫は年に一回。60歳まで作るとして、あと25回しかない。一回一回に自分は何ができるのか、常に考えている」。

元々、まったくの異業種で働いていたが、結婚を機に農業に入ったという異色の存在。クオルス・リストランテの高波利幸は、直売所で初めて会った時、「なんだか普通の人じゃない」と感じたという。直感どおり、栽培方法や環境づくりへのこだわりは半端ない。そしてそんなパッションこそが「格段に香り高く味が濃い」越後姫を作り出している。髙橋さんの越後姫は、各店舗のドルチェで味わえる。

 

雪国完熟いちご越後姫
9〜15粒 約380g

静かに雪が降り積もる中、ハウスの中で一粒一粒、愛情を込めて育てました。量より質にこだわり、定植後は化学農薬をいっさい使っていません。まあるいしあわせな味わい、やわらかな甘さと香りをお楽しみください。

上越大潟いちご園 苺の花ことば 代表 髙橋和樹さん

サラリーマンとして働いていたが、学生時代に出会った奥さまと結婚後、奥さまの実家の新潟に引っ越し、ゼロからイチゴ農園を始めて現在に至る。ハウス6棟で約15000株の雪国完熟いちご越後姫と桃薫を栽培中。

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