目的がなくても立ち寄るボローニャのセンター広場|ボローニャ マッジョーレ広場|
ボローニャの老舗チーズ屋「バルビエリ」のリンダに、ボローニャの中心、マッジョーレ広場へ案内してもらった。突然カラオケを流して歌い出す人、犬と散歩中のマダム、旅行中のカップルなど、それぞれが自由に過ごしている。「ここはあらゆる場所へ行くための中心地なの。どこへ行くにも必ずここを通るし、特別なイベントや目的がなくてもここに来るのよ」とリンダ。なるほど「目的がなくてもここに来る」という表現がぴったりな、ぼーっとしている(ように見える)人があちこちに。
イタリアの広場では、そんな人達が本当に多い。広場の奥に見えるのはサン・ペトロニオ聖堂。見上げると、外壁の装飾が上半分を残して中途半端なままの姿。これは、時のローマ教皇がバチカンのサン・ピエトロ大聖堂よりも大きく造ることを許さず、建設が途中で取りやめになったからだとか。けれどボローニャの市民たちは「この大聖堂は私たち市民が建てた教会。歴史をそのままに残している。これが私たちらしくて良い」と考えているようだ。そんな彼らのアイデンテティが詰まった未完成の壁は、なんだかカッコよく見えた。
広場でハンバーガーを美味しそうに頬張ってた3人組。彼らはヨーロッパ最古の総合大学、ボローニャ大学に通う学生たちだ。左から、文学部のアルベルト(26)、薬学部のアンナ(27)とジュリア(26)。「今日は図書館で勉強していて、ランチに広場へ来たの」とアンナ。「食べている途中で話しかけてごめんね!」と謝ると「いいよいいよ!」とフレッシュな笑顔で答えてくれた