2021.07.20| 情熱のイタリアコラム

カンティーナの今 〜スクアドラ・クオルスの仲間たちからの便り17〜

クオルス・リストランテが信頼するイタリア現地の生産者「スクアドラ・クオルス」の仲間達に、ワイナリーの今について聞いてみました。第17回目はエミリア・ロマーニア州、ブルソンでおなじみのテヌータ・ウッチェリーナの2代目エルメスからの便りです。

 

―前回のお便りには、メンバー皆揃って「1日でも早くイタリアまたは日本で再会したい」と書いてくれたけど、その日を待ちきれない思いは我々クオルスの面々も同じ!次回ようやくイタリアに行ける時には、カンティーナの他にも、皆の自慢の街や周辺の観光地も是非訪れてみたいな。そこで、今回は是非ガイドさんになったつもりで(笑)、ここぞというお薦めスポットを紹介して~!

次はいよいよRavenna(ラヴェンナ)に行こう!こちらは西ローマ帝国(402-476)の首都があった街として有名だと思うけど、5世紀後半にその西ローマ帝国が滅亡した後も、東ゴート王国(493-540)の首都、そして続くビザンチン(東ローマ)帝国支配下のラヴェンナ総督府(584-751)という形で、イタリア統治の拠点だったところだよ。だから3世紀以上に渡って“西の首都”として、その繁栄を築くことが出来たというわけさ。

その時代に建てられた様々な建築物は、東ローマ帝国で発達したビザンチン美術の影響を色濃く受けていて、素晴らしいモザイク画が当時のままに残っているから、ラヴェンナは「モザイクの首都」とも呼ばれている。とにかく保存状態がとっても良いんだよね。これらのモザイク画が観られる建築群は、1996年から「ラヴェンナの初期キリスト教建築群」としてユネスコの世界遺産にも登録されているよ。今回はその中でもとびっきりのものを3つ紹介しよう!


・Basilica di San Vitale サン・ヴィターレ聖堂
ラヴェンナでも最大の見どころかな。東ゴート王国時代を代表する聖堂で、殉教者記念礼拝堂も兼ねている。19世紀の建築史家ジョワジィは「この聖堂ほどその色彩の輝き、ラインの純粋さ、安定性と独創性、つまり古代ローマと東方ビザンチンの精神が完全な調和を保ち魅惑的な形で結合している建築作品は他にない」と述べているけど、その荘厳なモザイクの輝きは、まさに天国みたい。一生に一度は観るべきところだよ!

・Mausoleo di Galla Placidiaガッラ・プラチーディア廟堂
ラヴェンナで最古の建造物のひとつで、ローマ末期のものだよ。5世紀に、テオドシウス大帝の娘で皇后や皇帝の母として摂政も務めたガッラ・プラチーディアにより、サンタ・クローチェ聖堂の付属建築物として、また彼女自身が死後にそこに葬られるのを望んで築いたものと考えられている。ただ真相は歴史のベールに包まれたままなんだ。質素とも言える外観と内部のモザイク画の息をのむような豪華さのコントラストにも、きっとビックリするよ!

・Basilica di Sant’Apollinare Nuovoサンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
こちらは東ゴート王テオドリスクによって建てられた、救世主キリストに捧げられたカトリック教会の聖堂。この聖堂のバランスのとれた装飾と落ち着いた構成が本当に素晴らしい!内部の壁を飾るモザイク画は3段に分かれていて、それぞれがストーリ仕立てになっているんだけど、例えば最上部のモザイクは26の場面から成っていて、“キリストの奇跡と受難”の場面が展開しているんだ。まるで古代の映画でも観ているようで、圧巻だよ!

最後におまけ。ラヴェンナの人気スポットをもうひとつ紹介するよ。実はここには「Tomba di Dante(ダンテの墓)」というのもあるんだ。「神曲」を書いたあのダンテ・アリギエーリだよ。当時、政争に敗れてフィレンツェから追放されたダンテはラヴェンナに迎えられ、この土地で世界文学史上に輝く「神曲」を書き上げ、そして1321年にその生涯を閉じたんだ。16世紀になってフィレンツェ政府が彼の遺骨の返還を要求してきたんだけど、ラヴェンナ側は策を練って、かつてのダンテの仇敵にそれを決して渡さなかったんだよ。それで彼は今でもここで安らかに眠っているってわけさ。

 

 


エルメスのカンティーナ「テヌータ・ウッチェリーナ」のワインを味わってみませんか?

 

2013 ブルソン エチケッタ・ネラ 《契約オリジナルラベル》

蔵元/地方:Tenuta Uccellina/Emilia-Romagna
ブドウ品種:ロンガネージ100%
熟成法:バリック樽18ヶ月
生産本数:9,000本

奇跡のブドウ・ロンガネージをパッシート(陰干し)して糖分を高め、18ヶ月以上の熟成で作られる力強いワイン。レストランでも人気の一本です。

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2015 サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ“クリヴォ” 《契約オリジナルラベル》

蔵元/地方:Tenuta Uccellina/Emilia-Romagna
ブドウ品種:サンジョヴェーセ100%
熟成法:バリック樽6ヶ月
生産本数:8,000本

酸味とまろやかさ、まろやかなタンニンのバランスが人気のサンジョヴェーゼ。
お肉全般とチーズなど幅広いマリアージュを。色々なぷどうの香りを楽しめる赤ワイン。

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2017 アルバーナ・ディ・ロマーニャ《契約オリジナルラベル》

蔵元/地方:Tenuta Uccellina/Emilia-Romangna
ブドウ品種:アルバーナ100%
熟成法:大樽

濃厚な果実味、カモミールや花の香りが楽しめる白ワイン
パルマ産生ハム、チーズと共にお楽しみください。

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2017 エルメス&ジオ

蔵元/地方:Tenuta Uccellina/Emilia-Romagna
クオルス・オリジナルのワイン
Tenuta Uccelinaの跡取り息子であるHermesエルメスの18歳誕生日を記念して造られたワイン。
ボローニャ大学醸造学科を卒業した彼により進化が予定されています。
貴腐菌の働きでブドウの糖度を上げ、トレッビアーノ種とは思えないアルコール度数が高いしっかりとした白ワインとなっている。

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2019 ランベーラIGT

蔵元/地方:Tenuta Uccellina/Emilia-Romagna

中世には食用として人気だったが今は希少なエミリア・ロマーニャ州指定品種ブドウ「ファモーゾ」によるアロマティックな芳香とフレッシュさが特徴の1本。
アペリティーヴォにはもちろん、香り豊かなポルチーニ茸のピッツアなどにも最適な一本。

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